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澄川麦酒はなぜ要冷蔵(10℃以下で保管)しなければならないのか

齋藤です。

昨日の、EZO WEIZEN の紹介の記事の最後に、要冷蔵商品です、と記載しました。

そうなんです、澄川麦酒で醸造するビールはすべての商品が要冷蔵商品(10℃以下で保管)なのです。

なぜでしょう?

今日は、そのことについて、少しお話したいと思います。

大手メーカーのビールは常温保管が可能です。昭和の時代からずっと常温で流通し、常温で保管され、飲む前に冷やす、という状況でした。

なので、ビールは常温で保管しても大丈夫なんだろう、というぼんやりとしたイメージがあるのではないかと思います。

ですが、大手メーカーさんのビールは、常温保管できるように処理してあります。具体的には、酵母をマイクロフィルターで除去したり、熱処理して酵母を失活させたり、という処理です。

そう、この酵母の存在が要冷蔵の理由なのです。

澄川麦酒に限らず、多くのクラフトビールメーカーはビールを無濾過で充填しています。熱処理しているビールもまだまだ少数派です。

そう、ビールの中に活きた酵母が入っているのです。

クラフトビールを冷蔵庫の中でしばらくそっと保管しておくと、瓶の底に何か堆積しているのを確認できると思いますが、これがクラフトビールに入っている活きた酵母なのです。

さて、この酵母、活きてますから、条件が整えば活動します。具体的には、10℃以上の温度、ということになります(酵母の酒類によって細かい条件は異なりますが、概ね10℃あたりでしょう)。

瓶の中で酵母が活動するとどうなると思いますか?

酵母の働きを簡単に説明すると、餌を食べてアルコールと炭酸ガスを出す、です。この動きを発酵と呼んでいるわけで、ビール(に限らずアルコール)ができる仕組みなわけですね。

つまり、クラフトビールを常温保管すると瓶の中で再発酵してしまうというわけ。

再発酵するとどうなるか?

餌(充填されたビールに含まれるエネルギーのもと)を食べて、アルコールと炭酸ガスと出すわけですから、

 ・味が変わる
 ・炭酸ガスの量が増える

ということになります(細かくいえば、もっと色々起こります)。

もちろん、味に関しては、美味しい方向に変化する可能性はあるかもしれません。でもそれは、醸造所が設計した味ではありませんね。

そして何より、炭酸ガスの量が増えれば、

 栓を抜いた時、泡が吹きこぼれてしまう(そう、プロ野球のビールかけ状態:笑)

になる可能性が高いわけです。

長くなりました。

クラフトビールメーカが設計した味、状態で美味しく飲んでいただくためにも、ぜひ、冷蔵保管してくださいね。