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クラフトビールはいつ飲むべきか?賞味期限のお話

齋藤です。

爽やかな天気が続いていますね。ビールの美味しい季節です(いえ、一年中美味しいんですけど:笑)。

今日は「クラフトビールはいつ頃飲むのが良いのか?」という話題です。

いつ頃、といっても、朝から飲むのはどうよ、とかそういう話ではありません。

ビールには賞味期限が設定されています。そのお話を少し。

去年の今頃、食品表示法が改正されて、その勉強会に参加した際「アルコール飲料は賞味期限を省略することができる」と定義されていて、あれ?と思って調べたら、こんなことでした。

それは、ビール酒造組合という団体、これ、いわゆる大手4社で構成されるわけですが、こちらにおいて、ビールの表示に関する公正競争規約なんてのを決めていて、さらに調べると、酒類業組合法なんて法律までありまして、どうやら、これで決められているんですよね。

というか、決められているのは賞味期限または品質保持期限を表示しましょうということです、正確には。

ところで、クラフトビールをよく飲む方ですと、このビール、賞味期限切れてからのほうが美味しいよね?という経験をされた方も多いのではないでしょうか?画像でご紹介した、バーレイワインもそんなビールの一つかもしれませんね。

ワインや日本酒には賞味期限は表示されていません。省略できるから、ということもありますが、そもそも、熟成を楽しめるお酒なので、いつ飲むかは飲み手の判断に任せている、というところもあるのかもしれませんね。

で、ビールに戻りますと、キーワードはこの熟成だと思うんです。大手メーカーが手掛けるビールのスタイルはほとんどがラガービール(ピルスナースタイル)。このスタイルは、早のみが美味しいし、熟成させても美味しくなりません(ほとんどの場合)。なので、さっさと飲んでね、ということもあって賞味期限を設定することになったんじゃないかと想像しています。

じゃあ、どんなビールは早のみして、どんなビールは熟成を楽しめるの?という話になるのですが、概ね、こんな感じじゃないかと思います。



ざっくりとしたイメージですが

早く飲んだ方が概ね良いビール 熟成が期待できるビール
アルコール度数が5%前後の一般的なもの いわゆるハイアルコールビール
ホップの香りが華やかなもの 甘味や苦味酸味などをしっかり持ったもの
 キレが良く喉越しを楽しむタイプ もったりと重たく味わいを楽しむタイプ 


スタイルで言えばピルスナーやIPA、ヴァイツェン、ホワイトエールなどは早めにどうぞ、ボック、バーレイワイン、インペリアルスタウト、ベルジャンダブルなどは熟成を期待できるかも?というところでしょうか。

では、我々クラフトビールメーカーはどうやって賞味期限を決めているのか?なのですが、うちの場合は、「ビールの液として健全であることが合理的に証明できた実績値」です。年に一回、ビールを品質検査に出したりするのですが、その際、数ヶ月保管の上、官能検査でOKかなと感じだビールを品質検査をして、微生物などの繁殖が認められず、液として健全である、という検査結果をもって「このスタイルはこの日数までは行ける」という判断をしています。

逆に言えば「液としては健全」なのですが「そうは言っても早めに飲んでね」というものと「実は、その先が期待できますよ」というビールがあるのも事実です。

このあたりがラベルの表示だけでお伝えするのは難しく、「賞味期限を過ぎても熟成が楽しめるスタイルです」と書いてみたい気持ちもあるのですが、スペースの問題などもあり、ふみきれていないでいたりします。

澄川麦酒のビールについては、これからリリースのアナウンス時に、そのあたりのことも少し触れながら書いてみようかな?なんて思ったりもしております。

今日は、賞味期限のお話でした。

熟成については、これも、面白い話題なので、近く項を分けて書いてみたいと思います。