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オリジナルビールへの道~4~ビールの苦味の設計:IBUって何?

齋藤です。

今日はオリジナルビールへの道シリーズです。

今回は、ビールの苦味についてです。

苦味を設計するのあたり、まず、苦味のことについて話したいと思います。

クラフトビールに馴染みがある皆さまには、IBUという文字を目にされた方が多いと思います。

IBUとは、International Bitterness Unitsの略です。日本語に訳すと、国際苦味単位となるでしょうか。

簡単に言えば、IBUで示される数字は、「そのビールに含まれている苦味の量」というイメージで捉えてください。

ここで大切なのは、人が感じる苦味の強さではないということです。




比較のために例になるかわかりませんが、市販の大手メーカー製ビールで苦味が強いと感じる方が多いヱビスビールですが、このビールのIBUは25と言われています。

澄川麦酒の定番品でIBUの数値が一番大きいのはセッションIPAですが、このビールの持つIBUは36です。

数値的には、セッションIPAの方が大きいですが、お店でこの話をさせて頂いて、実際に両方を飲み比べてみた方の感想を伺うと、どちらも似たようなものじゃない?とかむしろヱビスビールの方が苦くないです?と言う方もいらっしゃいました。



どういうことでしょう?

この苦味の感じ方の例えに使われるのがコーヒーです。

同じ量のコーヒー豆で抽出したエスプレッソを想像してください。

ブラックのまま飲むと苦いですが、砂糖をたっぷりいれて飲むとその苦味が弱まって感じますよね?

ビールにも同じことが言えるわけです。

ここで登場するのが、以前お話したビールの甘味。

つまり、そのビールに含まれる苦味の量が同じでも、ビールに甘味がたっぷり含まれるか、スッキリ切れた仕上がりのビールかによって、人が感じる苦味が異なる、ということなのです。



ということで、ビールの苦味を設計するにあたっては、単純にビールにどのくらいの苦味を抽出するかのみではなく、ビールの甘味(ボディ)をどのくらいに設計するか、との相関関係で、そのビールを飲んでくださる方にどの程度の苦味を感じてもらうのかを検討する、という作業を行うわけです。

次回は、この苦味を具体的にどうやって設計するかについてお話したいと思います。