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オリジナルビールへの道~1~ビールはどうやってできる?酵母の話

齋藤です。

夏に向けて、OEMビールのご相談をたくさん受けるようになりました。

その中で、良く出るのは「ビールつくって欲しいんですけど、何をどうお願いすれば良いんでしょうか?」の声。

良く考えたら、そうなんですよね。

そもそも、クラフトビールの守備範囲とか、こういうことができますよ、とか、それは我々造る側は当たり前のこととしてわかっていても、造って欲しい側でそれをスラスラ言える人って日本には少ないように思います。

これ、一つには、ホームブリューイング(自家醸造)が日本では認められていないので、自分でやってみたことのある人が基本的にはいないから(アメリカ長期出張中に良く造ってて!って方には何人か会いました)。

てなことで、これから、日々のトピックがない日には、ビールを造る、ことに焦点をあてて、少しずつ説明していきたいと思います。

初回は、そもそもビールってどうやったらできるの?って話から。

ビールに限らず、お酒ができる仕組みからまず。

お酒を造ってくれるのは酵母です。この酵母の正体は微生物。正直、そのへんに(空気中とかも含め)いくらでもいます。お酒用の酵母はこれらの微生物の中からその作業に適した株を選抜して培養したもの、と考えてもらって大体差し支えありません。

微生物ですから、生きていますし栄養があれば活動します。この酵母の活動によってお酒はできるというわけ。

どうやって活動させるかというと、人間と同じでごはんをたべさせる。人間のごはんにあたるものが、酵母にとっては糖。つまり、酵母は、糖を食べてアルコール(と炭酸ガス)を出す、という活動をします。この活動を利用して作られるのがお酒というわけ。

とはいえ、この酵母(イースト)の存在が知られたのは割と近代になってからのことでして、昔(といっても500年くらい前)には、まだ全然理由がわからなかったそうで、ヨーロッパなどでは「この部屋に甘い液体を置いておくと、なぜかお酒ができる」という感じだったそうです。

ドイツビールの話をするときによく出てくるビール純粋令も、制定されたときには、ビールの材料は、麦とホップと水のみで造る、と規定されていた(後に、酵母が発見されて麦とホップと酵母と水に改定)そうで、昔は不思議な現象によってお酒はできていたわけですね。

今はお酒のできる仕組みは解明されていますが、それでも、日々、ビールを造っていると、発酵の様子を観察するにつけ、神秘的な何か、を感じます。

次回は、酵母のごはんになる糖についてのお話をしたいと思います。