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オリジナルビールへの道~2~ビールはどうやってできる?糖の話

齋藤です。

月曜日は工場お休みですが、ブログは更新しておこうと思います。

オリジナルビールへの道の第二回。今日は、酵母のごはんになる糖のお話。

前回、お酒は、酵母の活動によって生成されるって話をしました。今回は、その酵母の活動をさせる糖についてのお話です。

専門的な話をすると論文レベルになってきますし、そんなことをここで書いても仕方ないので、ざっくりとしたイメージをお伝えできればと思います。

ところで糖ってなんでしょう?

多くの方がイメージするのは甘いもの、って感じでしょうか。代表選手は砂糖ですよね。

砂糖の他にも糖はたくさん存在します。グーグル先生に糖とは?とか聞いてみるとじゃんじゃん出てきますので、興味のある方は調べてみてください。

さて、ここでビールの味についてちょっと振り返ってみましょう。

大手メーカーのビールを例にあげると連想しやすいと思うのですが、私がいつも例にあげるのは、アサヒスーパードライと、サントリープレミアムモルツです。

どちらも同じビールなのですが、味わいが随分と違うと思いませんか?(あ、あなたがどちらが好きか、は今はおいておきましょう)

ざっくりとしたイメージは、スーパードライはスッキリキレがあってごくごく飲める、プレミアムモルツは、もったりと甘味があって味わって飲む、って感じでは無いでしょうか?

同じビールで、材料もほとんど同じなのに、どうしてこういう差が出るのでしょう?

この味わいの正体が糖なのです。

簡単に言えば、ビールの中に残存している糖の量(バランス)で味わいが変わります(もちろん、アルコール度数など他の要因でも変わりますよ)。

糖がたくさん残っていれば、もったりとした甘味を感じますし、糖が殆ど残っていなければキレッキレの味わいになります。このバランスを各メーカーは研究してレシピに反映しているってわけですね。

戻って酵母のごはんの話です。

酵母も色々ありますが、我々はビールを造っているので、通常はビール酵母を用います(極稀にワイン酵母や野生酵母もつかいます))。

このビール酵母、好き嫌いがありまして、食べる糖と食べない糖があります。

好き嫌いしないで残さず全部食べなさい!って昔おかあさんに言われましたか?我々と同世代の昭和生まれの方は多分言われたと思いますが、ビール酵母は好き嫌いがあって頑なに食べないものは食べません。

麦芽(麦)に含まれるデンプンから生成される糖は大きく4種類ありまして、それぞれグルコース、マルトース、マルトトリオース、デキストリンなどと呼ばれていますが、このうち、デキストリンだけは食べずに残します。これがビールの甘味の正体。このビールの甘味はボディとも表現されますが、デキストリンをどのくらい残すか、で、そのビールのボディを検討するわけです。

みなさんがオリジナルビールを考える時は、細かいことはともかくとして、スーパードライみたいにキレた感じ、とかプレミアムモルツみたいにボディーがしっかりした感じ、って具合に表現してもらえれば、あとは我々の方で設計いたします。

次回は、その糖のバランスをどうやって設計するの?って話にしようと思います。